肉の余分な脂が抜けて、しかも仕上がりがやわらか。蒸す調理の特性を 生かした代表料理が東坡肉(トンポーロウ)です。下ごしらえを済ませたら、 あとは蒸し器まかせ。ただひたすら強火で蒸し続けます。 |
■蒸す道具 チョンロン 中国料理では、中華鍋の上にチョンロン(蒸籠)という木と竹で作った円形のせいろうを重ねて蒸します。 底はすのこ張りなので蒸気の通りがよく、ふたはあじろ編みなので蒸気を平均に回してしかもしずくを落とさないため、料理がむらなく蒸し上がります。 せいろうは2段、3段と重ねることができます。 鍋式蒸し器 鍋式の蒸し器には、穴のあいた中板を入れる様式のものと、せいろう機能の上鍋と湯を沸かす下鍋の2段重ね様式のものがあります。 家庭用の普通サイズの蒸し器だと、食卓に出す大皿ごと蒸すような料理はできません。また、中板式は蒸している最中に湯の減り具合を見ることができません。 使い勝手、どんな料理にも対応できることを考慮すると、チョンロンや、大きめの2段式蒸し鍋が便利といえます。 |
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■下味だけで蒸すか、味をしっかり加えて蒸すか 蒸し物の味つけ 鶏の酒蒸しはさっぱり味の蒸し物。酒と塩でごくうすめに下味をつけて蒸し、薬味としょうゆ、タレなどでいただきます。 反対に中国料理の東坡肉(トンポーロウ)は、肉に味つけの調味料を加えて蒸します。しかも蒸す前に揚げるので、蒸し上がったときの照りがよく、食欲をそそります。 おいしい蒸し汁であんを作ってかけます。 このように、肉を蒸す料理は中国料理に多く、たいていは味をつけて蒸します。蒸し上がってから味なおしはできません。 加える調味料は混ぜ合わせ、舌で味を確かめることが大切になります。 蒸し物の香味野菜 肉を蒸すときは、臭みを消すためにねぎやしょうがなどの香味野菜をのせます。ねぎは青い葉の部分が入っても、しょうがは皮だけでもかまいません。 香りがよく出るように、ねぎは包丁の腹を当ててたたきつぶし、しょうがは薄切りか、たたきつぶします。 耐熱性容器 材料を入れる容器は耐熱性のバットやボウルを使います。皿を使う場合は少しくぼみのあるものでないと、 蒸しているうちに肉からにじみ出てくるおいしい蒸し汁がこぼれてしまいます。 火加減 卵料理以外の蒸し物は強火、が基本です。中華鍋に水をたっぷり張ってふたをしたチョンロンを重ね、強火にかけます。 蒸気が勢いよく立つようになってから、材料を入れた容器を入れます。 蒸し布 肉まんは下に紙をはりつけてあるのでじかでかまいません。シューマイなど粉で作った皮で包んだものはすのこにくっついてしまうので、 前もってすのこに油を塗っておくか、きつく絞った布巾や蒸し布を敷いた上におきます。白菜、キャベツ、レタス、サラダ菜などを敷いてもよく、 これも食べられます。 |
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湯を足す ふたをして、決められた時間まで強火で蒸し続けます。蒸気の上がる量が少なくなれば、鍋の湯が少なくなったしるし。 チョンロンの横から、やかんの湯を注ぎ入れます。中板式の蒸し鍋の場合は、中の材料に湯をかけないように注意します。 |
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