トップページ お問合せ・資料請求 プライバシーポリシー
HOME > よくある質問 > 自分の老化度と栄養状態を知る方法は?

自分の老化度と栄養状態を知る方法は?

東京都老人総合研究所前副所長の柴田博先生らは、握力と開眼片足立ち時間を調べる体力テストを行っています。これを用いた東京都小金井市の70歳老人の追跡調査で、70歳時点で握力の強い人は、その後10年間の死亡率が低いことが判明しました。一方の片足立ちは1分できれば完璧でしょう。正常な歩行は体重をいったん片足に乗せるので、片足立ち時間は歩行能力と比例すると考えられます。
血液検査ではアルブミンの量を測るのが有効です。同じ調査で、70歳時点の血中アルブミン値が高いと、その後も長生きすることが判明。アルブミン値は障害や病気の有無にかかわらず、男女とも同様に加齢に伴い低下するため、老化を測るすぐれた指標といえます。
血液中のコレステロール値も、老化の尺度となるかもしれません。沖縄と秋田のある地域を、全く同じ方法で2年間比べた結果、70歳台、80歳台共に、ほとんどコレステロール値の低下がない沖縄は、病気が少なく平均余命も長く、日常生活動作能力も高いことがわかりました。
血圧も加齢により変化します。最大血圧は加齢と共に上昇する傾向にありますが、最低血圧は70歳くらいから下降。そのため高齢者の血圧は上下の差が大きくなります。中年期の高血圧パターンはたとえば160/110mmHgですが、高齢者は200/70mmHgと上下の差が大きくなります。
骨は老化によりカルシウム量が減ります。近年骨量を測る機会も多く、骨粗鬆症予防への活用が期待されます。
目や耳の衰えは情報収集やコミュニケーションの支障を起こし、うつ状態の原因になりかねません。また、歯の障害は咀嚼力の低下から栄養不足を起こし、また会話力も低下させます。目・耳・歯の検査は簡単ですが、とかく放っておきがち。けれども耳や目、歯の老化は生活の質(QOL)を著しく低下させます。今日ではよい補聴器や義歯などの補助具も開発され、目の白内障の手術も進歩しています。失ったものを嘆くより、治療や補助具を活用し前向きな生活を送りましょう。

アルブミン
アルブミンは、血清中に多量に存在する運搬タンパク質で、肝臓で合成される。

QOL(Quality of Life)
生活の質、あるいは人生の質と訳す。医学は長い間、寿命を延ばすことに力を注いできたが、それが成功を納め、子育て後の長い余命をどう生きるかが問題になった。そこに人生の質という新しい考えが登場。学説によってその概念や定義は違う。生活満足度など主観的なもののみを要素ととらえる場合もあれば、それに客観的な健康度、経済力、人間関係、物的環境を意味する場合もある。



Back